誰も知らない

備忘録

オトナの社会科見学

 

高田馬場にあるブルセラショップに行ってきた。そういう趣味があるわけではなく、社会勉強として。

 

ロペ高田馬場

http://www.rope-sibuya.com/shopguide/lineup_baba.html

 

ちなみに、公安委員会より古物商の認可を受けているので、店を訪問して買い物を楽しんでも問題はない。少しマニアックな古着屋という感じである。

 

ホームページには”制服を売りたい”という気持ちと行動が多くの人たちの笑顔を作るとあるが、どういった種類の笑顔なのだろう。f:id:kobo-ru13:20190422172635p:plain

 

ゴーゴーカレーの隣にあるビルの9階でひっそりと営業している。大学時代、散々近くを通ったにも関わらず存在を最近まで知らなかった。灯台下暗しを地で行っていた。

 

雑居ビルにありがちな無愛想な灰色の扉に「一八歳未満の立ち入りを禁止する。」と表示が付いていた。

8割程度閉まっている扉を開けて店内に入ると、人ひとりが通れるかどうかという狭い通路があり、両脇に夥しい数の制服がかけられていた。

男の業を煮詰めたような匂いが漂っているかと予想していたが、古着屋特有の”あの”匂いだけが漂っていた。

 

店内にある制服は高校指定のものから、ファミレスや大手企業の受付嬢のものまで多岐にわたっていた。

値段は5~10万円が多く、壁の高いところには20~40万円するものが吊るされていた。

値段は概ね学校(企業)の偏差値や知名度に比例していた。慶●女子や桜●の制服は高かった。

値段の表記が、10万円以上のものは「xx萬円」であり、1桁万円のものは「x0000円」であった。謎のこだわりを感じたが、数字3桁ごとにカンマを打って欲しい。

 

制服コーナーの奥に下着コーナーがあった。ブラジャーやパンツが握り拳より小さいくらいのサイズに折り畳まれ、ビニール袋に梱包され、小さめのラックに押し込まれている。1枚3,000円~5,000円が多く、匂いがキツいほどマニアの中では価値が高いらしい。

ラックのすぐ上に監視カメラがあった。狭く物陰だらけの店内で、万引き防止のために設置しているのだとは思うが、下着を物色している姿を撮影されるのはあまり良い気分ではなかった。

商品によっては、着用者の顔及び体を写したポラロイド写真が添付されている。

写真は希望者のみ店で下着を売る際に撮影されるらしい。

着衣のまま照れている厚化粧の女性、売ることに慣れているのか、ブラジャーを少しずらし乳輪を見せながら親しい友人に見せるような屈託の無い笑顔を浮かべる女性の一瞬を切り取った1枚が添えられていた。

 

そんな中、制服を着用した18~19歳と思われる化粧っ気の無い少女が、悲痛な面持ちで俯き加減に収められている写真にぶつかった。

売ることに慣れておらず、気恥ずかしさのあまりそうした表情を浮かべているだけであり、得た金は友達と行くディズニーランドで使っていて欲しかった。

家族が作った借金返済のために体を売らなければならず、手始めに下着を売って小金を作った・・・なんてことはあって欲しくないが、それを思わせるような痛切な表情を浮かべているように思えた。

赤の他人が気にしても仕方ないが、煮え切らない思いは残った。

 

 

話は変わって、店の利用者の中には銀行員・教員が多いらしい。

お堅い職業の人に限って、実は・・・というありがちすぎるパターンであるが、ブルセラショップの店長がそう言っているのでそうなのだろう。

 

自分が訪れた時はいなかったが、身体障害者も多く利用するらしい。性欲を晴らしに風俗店に行こうにも、体に障害を抱えていると断られる場合が多いため、こうした店に流れてくるという流れだそうだ。

制服や下着の匂いで興奮するヘンタイ親父しか利用しないと思っていたが、切実な理由で利用する人もいることも頭の片隅に置いておこうと思った。

 

古着屋の匂いを粘膜に感じながら物思いに耽っていると具合が悪くなってきたので店を後にした。

外階段を使って下階に降りる最中、ビルマ語が書かれたビラを何枚も目にした。

慣れ親しんだ一角でありながら、自分にとって全くの異世界であるビルから出て見慣れた景色を取り戻した。

ガード下に描かれた手塚治虫作品のキャラクター達が、心なしかくすんで見えた。

 

 

 

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